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1. Secret Garden feat. TeN
本アルバムに収録されている全12曲の中で最後に完成したこの曲は、リスナーをサバーバンワールドへいざなう入口として、アルバムのオープニングを飾るにふさわしい存在感を漂わせている。霧が立ち込める中、秘密の庭をさまよい歩く、艶っぽいTeNの声に包まれて、未知なる世界が静かにその姿を現す。
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2. 栞 feat. Shing02
すべての始まりは『Suburban 0riginal』。彼らがプロデュースした初の楽曲である。その極上のメロディにShing02の旅情感溢れるリリックをフィーチャリングしたのが、言わずと知れた『栞』である。輪派絵師団による美しいアニメーションPVがYouTubeで話題となる。これだけ個性の強いアーティスト同士がタッグを組んで生まれるのは、てんでまとまりがなく聴くに堪えないものか、だれにも成しえることのできない驚くべき芸術のどちらかしかない。この曲がどちらに属するかはもはや言うまでもない。
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3. ほしふるよるに
映画「となりのトトロ」の劇中歌『塚森の大樹』をサンプリング。キラキラまたたく無数の星、夜の静寂の中を通り抜ける風がはっきりと音に現れ、彼らのフィルターをとおしたトトロの世界を垣間見る思いがする。そしてなんといっても中盤に登場する林森(リンセン)による二胡は鳥肌ものである。ここで二胡をチョイスする心憎さ、そしてその二胡の音色のすばらしさに度肝を抜かれる。これほどまでに印象的なのは、あまりに有名なメロディが理由ではなく、音そのものに込められた魂を感じるからである。まぶたに浮かぶ満点の星空と未来永劫に続く宇宙に思いを馳せて、Suburbanが得意とする壮大な世界観を隅々まで堪能できる。
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4. Lotus
明け方、蓮池に漕ぎ出す一隻のボート。櫂をひとかきするたびに、また一つ美しいつぼみが静かに姿を現す。どこかでつぼみが花開く音が聞こえるようである。蓮というと、仏教、あるいはアジアン雑貨に見られるかわいらしい花をイメージしがちだが、この曲の蓮は胸をしめつけられるような、なんともいえないせつなさを感じさせる。そのせつなさ、そしてそれを打ち砕くような凛とした佇まいは、草花や小さな虫たちによる美しい自然の営みとそれらに内在する強い生命力に通じるものがある。
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5. Alps feat. Capital
Shing02率いる最強のクリエーター集団TERRACOTTA TROOPSのギタリストCapitalを迎えた、初期の未発表作品の1つ。アコースティックギターのキュルキュルという独特の音がなんとも言えず耳に心地よい。これほど優しい音色でささやかれたら、きっと誰しも瞬時に恋に落ちてしまうだろう。そしてドラムや鈴の音やその他すべての音は、どれもこれも愛情に満ち溢れている。幼い子供たちの声は、古いアルバムをめくるように、記憶の隅に残る、ゆっくりと時間が流れていた穏やかな時間をよみがえらせる。大人になるにつれ知らず知らずのうちに身にまとうようになった鎧も溶け出し、凝り固まった心を解きほぐし、無垢で満ち足りた気持ちにさせてくれる曲である。
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6. Kiss And Fly
さまざまな目的でさまざまな場所へ向かう人々が行きかう空港では、たくさんの小さなドラマが交錯する。愛するだれかを見送り、そしてまた雑踏へと紛れて日常世界に戻る。ターミナルの中で日々繰り返されるそんな光景の1つをクローズアップしたかに思える。実際に、フランスのニース空港のターミナルには、見送り車両用の案内として標識に「Kiss and Fly」と記されているそうだ。キスを交わして空へ旅立つ、とはなんともロマンティックでキュートな表現である。ほのかなセンチメンタリズムを漂わせ、ソフトな音色が薄いヴェールのように優しく心の琴線に触れる。女心を揺るがす魅惑のキラーチューン。
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7. Sky High feat. TeN
設定は同じく空港。しかしこの曲はジェットエンジン全開で新たな世界へ旅立つ側の視点に立つ。ヒット作『BATONGA』で世界を陶酔させたA Hundred BirdsのTeNから満ち溢れる生命力や土臭さも相まって、どこかオーガニックさを漂わせる珠玉のオトナハウスである。サビ部分の開放感、そして終盤に見せるピアノとTeNのヴァイブス溢れるセッションはこの曲の大きな魅力である。
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8. Summer Time (Beach Version)
12曲の中でひときわ異彩を放つこの曲は、スティールパンが鳴り響く極上のチルアウトチューン。バカンス全開のSuburbanの夏、海、レゲエである。からりと晴れたカリビアンビーチでビキニにトロピカルカクテル。ほてった体にKozueのクリスタルヴォイスがひときわ心地よい風を運んでくる。美しいハミングに合わせて思わず鼻歌がこぼれてしまう。2007年8月に7インチシングルとして発売され、それまでに発表された作品によって塗り固められたSuburbanのイメージを大きく覆し、彼らが自分たちの音に対していかに正直で自由で柔軟であるかをまざまざと見せつけた思い出深い衝撃の一曲である。
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9. 雲水
Suburbanの楽曲の中でも、最もオリエンタル色が強く、壮大感と緻密性を兼ね備えた秘蔵の音源で、山水画の世界を彷彿させる幻想世界を体感できる。『ほしふるよるに』が満点の星空だとすれば、さながらこれは秋の夜に見るなまめかしい満月といったところか。ちなみに「雲水」(うんすい)とは、行雲流水(流れゆく雲や水のように自然にまかせて日々を過ごすこと)、または禅宗の僧を指すそうである。彼らの意図がどこにあるのかは定かでないが、比叡山延暦寺でフィールドレコーディングした鐘の音を使用していることからも、後者の意味合いが強いように思われる。諸行無常の鐘の響き、虫の声、そして得も知れぬ浮遊感と絶妙の間に悩殺される。2007年にKDDI mobile CMソングにタイアップされ、輪派絵師団による映像とともに米国でオンエア。
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10. Kei In Da 洞窟 feat.啓(Live Recording)
静岡県下田市の二穴洞窟でのライブ録音を収録。Suburbanの音源を実際に洞窟の壁に反響させ、その上から啓の野太いビートボックスを生撮りするというまったく新しい試みは革命的ともいえるだろう。ナチュラルリヴァーブを生かした神秘的な音源と臨場感あふれる力強く巧みなヒューマンビートボックスの組み合わせは、暗闇の中に一筋の光を映し出す。次々に展開を見せる啓のドラムビートは驚くばかりである。二穴洞窟は、正式には竜宮窟と呼ばれ、自然の造形美に圧倒される神々しい場所である。実際にその場に足を踏み入れて、自然の中で聴いてみたいものである。
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11. Summer Time (Sunset Version)
Beach VersionのB面として『Summer Time』に収録。四季の移り変わりの中でもとりわけ夏の終わりというのはなぜか強い哀愁を漂わせるものである。ピアニカがかもし出す夕日の眩しさに思わず目を細めてしまいそうになる。海の彼方に沈む夕日の色が鮮烈に脳裏に焼き付く。『ほしふるよるに』、『Kiss and Fly』と並んでSuburbanの「B面人気」を実証すべく、根強い人気を誇る曲である。
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12. Suburban (3 Time Love)
今では幻となったファーストシングル『SUBURBAN EP』からの1曲。Suburbanのルーツがここにあるといっても過言ではないだろう。中でも都会の夜の香り漂う3 Time Loveは、前曲の『Summer Time (Sunset Version)』に引き続き、強烈なせつなさで胸を強く締め付ける。別れ際が刻々と迫る中、身動きもせずただそのときがくるのを待つしかない。静かな余韻が残るなか、彼らにまた会いたくて、すぐに再生ボタンに手が伸びるのである。
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